保険相談への理解

バブル景気の発生と崩壊のサイクルは、アメリカ史上、連邦準備制度が創設される以前にも起こっていた。 これをどのように説明できるだろうか?連邦準備制度創設以前のバブルは大規模な通貨供給によって発生し、その後バブルは崩壊した。
これはHとMが私たちに教える景気循環理論に適っている。 このパターンはどこでも見られるものであるため、誰も真面目に取り上げてこなかった。
一八一九年の恐慌は、各銀行が個々に発行した紙幣の供給が膨大になったために発生した。 これらの紙幣は銀行の保有する金の裏付けのないものであった。
そうした不健全な銀行が倒産して、経済全体に大混乱を引き起こした。 一八一六年、アメリカ政府は認可を出し、第二合衆国銀行(競彰(睦殿君解餓跨認醒・影餌)が設立された。
アメリカの第二中央銀行であった第二合衆国銀行も過度の通貨供給を行なっていた。 その結果、インフレーションが進行した。

政府の通貨発行自体を批判する人々は、第二合衆国銀行を、インフレーションを進行させたとして非難した。 デラウェア州選出の連邦上院議員であったW・Wは、第二合衆国銀行設立認可についての議論の中で、この結果を予期していた。
Wは、第二合衆国銀行など創設しても国法銀行(の目の冒号)の銀行として機能せずに、通貨発行量を増やすだけしかできない、と警告した。 一八一九年の大恐慌の発生後、アメリカの多くの識者たちは、銀行システムを安定させるには、部分準備金ではなく、一○○%の準備金と紙幣発行の禁止が必要だと主張するようになった。
言い換えると、銀行が実際に保有している金の裏付けよりも多くの紙幣を刷り、貸し出すのを禁止すれば、不自然なバブル景気や取り付け騒ぎが発生することはないというのだ。 この立場を代表するのがW・Gである。
彼は一八三三年に「通貨と銀行についての小史』を著した。 この著書は、銀行と通貨について一九世紀に書かれた名著の一つである。
経済危機が発生すると、政府の通貨発行を否定する人々は、政府が、何の邪魔もせずに、経済の動く通りにさせれば経済は回復する、と主張した。 ニューヨーク・イブニング・ポスト紙は次のように書いている。
「政治家たちが物事の自然な流れに介入しなければ、時間と商売のルールによって、物事は均衡を回復する」多くの識者たちが、経済の後退局面が訪れた際、銀行の通貨供給にその原因があると主張した。 彼らの主張の内容は次のようになる。
銀行が通貨供給量を増やしたので、物価が上昇する。 どするものだろうか?一八三○年代、第二合衆国銀行は、通貨供給量を増大させてバブル景気を引き起こし、そのアメリカ国民は物価が高くなったので、外国からの輸入品を買うようになる。
アメリカ産の製品の生産は減少する。 それによって、アメリカ産の製品の輸出が減少するようになる。
アメリ力の銀行券(紙幣)を貯め込んだ外国企業は、正金(貴金属、この場合は金)に換えるように求めるようになる。 そして金がアメリカ国外に流出する。

銀行から金が流出することで、銀行の借入が増大する。 銀行の負債が増大すると、バブル景気に水が差される。
それによってバブル景気が崩壊する。 銀行が通貨供給量を増やさなければ、不自然なバブル景気とその後の経済的混乱は起きなかったはずだ。
その後の経済危機と同じように、銀行は、金との交換を延期することが許可され、同時に、業務を進めることも許された。 預金者たちが自分の預金を引き出そうとしても、銀行がその預金を渡さなくてもよいと法律で認められている、と銀行は言える。
これは空想の話のようだが、そうではない。 銀行が預金者の預金引き出しに応じなくても済む。
こんな方法で、政府が銀行を救済するということが知れ渡ってしまうと、モラル・ハザードの問題が起こり、将来の銀行の行動に影響を与えるようになってしまう。 政府が救済してくれることが分かっていて、思慮の足りない、しかも非合理的な方法でお金儲けができる場合、銀行が注意深く、誠実に経営な経済の衰退に関するRの分析は、オーストリア学派の景気循環理論によく似たものでは深刻なものである」通貨供給量の増大のもたらす結果は何であっただろうか?それは、企業の不健全な活動を促進することである。
機械を使った過剰生産、異常な値段がつく資源への過剰な投機、それらは大規模で深刻なバブル崩壊を招く。 貸出の異常な増大が表面化し、持続不可能な経済構造が崩壊し、数多くの人々が急上昇する株価に狂乱した夢の残骸を埋葬することになった。
現在、人々は、夜、自分は金持ちだと思って床につくが、翌朝目覚めると身ぐるみはがされている、そんな状況である。 もっとも、金持ちだと思っていた人々も実はたいしたものは持っていなかった。
銀行の後、バブルを崩壊させてしまった。 ジャクソン主義者の評論家、W・Rは、一八三○年代に景気循環理論に気づいていた。
Rはある記事の中で、バブル発生と崩壊は、銀行による人為的な貸出増加が原因だと指摘した。 Rは次のように警告している。

「私たちの銀行システムは大きな欠陥を抱えている。 紙幣発行量の増加と収縮によって企業の不健全な活動を生み出し、突然の景気後退という重大な結果を招く。
この景気後退気前の良さによって生み出されたまやかしの創造物を、人々は大切なものだと考えた。 銀行の気前の良さによって、経済は過熱し、人々は投機に夢中となった(引用者註》住宅の供給過剰と住宅バブルについて考えてみよう)。
今や、人々は、銀行が自分たちを救ってくれないことに気づいた。 銀行に人々を救う力があってもなくても、結果は同じで、救ってはくれないのだ。
銀行は、人々が欲していなくても金を貸し出していた。 しかし、現在、バブルの間に計画された完成途上のプロジェクトが進められなくなっていても、資金や資源を投入されることはなくなっている。
八三七年一二月、Rは次のように書いている。 ここ三年間の出来事をしっかりと見てきた人は、今現在の状況が起こることを予測できたであろう。
銀行が全力でライバルたちと戦い、ライバルを葬り去り、発行した紙幣を通用させ、また、通貨ではなく、土地も市場に流通させている。 銀行はあらゆる甘言と誘惑を用いて人々にお金を貸した。
この方法で徐々に投機を過熱させていった。 人々も熱に浮かされたように、実現性の低い事業計画を進めるようになった。
例えば、どの企業も求めていない場所に運河を掘り、誰も行かないような場所に道を通し、誰も住まないような場けるのだ」これまでに起こったパニックや経済不況を繰り返さないために、Rは生涯を通じて、その原因が人為的な通貨供給量の増大だと繰り返し主張し続けた。 Rは、銀行が政府からの規制を受けずに経営できるシステムを創設するように求めた。
そのシステムの内容は銀行を他の業種の企業と同じように扱い、特別な法的措置で救わないようにし、無責任な経営をしたなら断じて救済などしない、というものだ。 銀行は、厳しい競争を通じて保有している貴金属に対応した分しか紙幣を発行しない、という誠実な態度を取るようになる。

銀行は、他の銀行の発行した紙幣を持ち続けるつもりはないので、金に換えるように要求する。 この要求が、銀行に誠実さを保たせるのである。

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